クレジットカードは便利な反面、IT社会化が進んで使用者が悪質な詐欺や不正利用に合うことも少なくありません。
「知らないうちにクレジットカードを使われていた」「請求書を見たら、10万円を超える海外からの請求がされていた」など。
日本全体で年間100億円を超える被害がクレジットカード不正利用で起きているなど、決して人ごとではないのが分かるでしょう。
そこで、実際に被害に合った方やこれから合うかもしれず、補償について詳しく知りたい方に、正しい対処の方法をこの記事では解説します。
クレジットカードを不正利用される原因とは?
不正利用クレジットカードを第三者に使わせないことが重要です。
しかしながら、どれだけ厳重にクレジットカードを自宅で保管していても、ちょっとしたことでクレジットカードの番号や暗証番号が流出してしまうことがあります。
ここでは、その原因を詳しく知り、不正利用のリスクを最小限にする方法をお伝えします。
- フィッシング詐欺
- ウイルス・アプリでアクセス誘導する詐欺被害
- 小規模なショッピングサイトセキュリティの不備
- スキミングで番号だけが盗まれる
- 恐喝・電話のオレオレ詐欺
- 出会い系でクレジットカード決済する
フィッシング詐欺
最近は、クレジットカードの番号が流出する原因にハイテク化が背景にあります。
ネットでクレジットカードを利用して、その過程で第三者にカード番号が漏れてしまうなどです。
中でもフィッシング詐欺は、被害者がダミーのサイトや悪質サイトに誘導し、そこで入力されたカード番号を盗み取ります。
特に、宛名がカード会社や銀行のサポートデスクを装って電子メールにあるURLから誘導したりします。
メールの送り先もしっかりとした大手の企業であったり、カード会社からの送信と偽装しているので、一見するだけでは分からないことも被害が拡大した原因です。
この詐欺手法による被害は、クレジットカードだけでなく、オンラインのネットバンクなどでも被害が増過しています。
以前は、出会い系のようなあからさまに怪しいメールが送られてきて、接続したら詐欺に引っかかってしまった方も多いでしょう。
しかし、近頃はその手口が巧妙化しています。
クレジットカード番号を盗み取られる場合、文面にはクレジットカードの番号を「サイト更新する」といった理由でアクセスさせたり、「不正利用が発覚した」などと警告して、アクセスさせたりします。
メールの送り先を見れば、見破れそうな気がしますが、実際にはそれで足りる事例ばかりではありません。
例えば、メールの送り先を実際の会社のメールボックスから送らせる手法なども出てきています。
それは主にハッキングや違法な手段によるものです。
カード会社から本当に更新が必要だと送られてくれば、アクセスしてしまうでしょう。
メールの送り先を確認してこれまで見分けていた人でも、本当にその会社から送られてきているので簡単にはわかりません。
もちろん低レベルなメールでは、見破れるものもあります。
次に、ホームページも本物に告示した誘導サイトが作られているため、本物との比較だけでは見破れなくなっています。
URLの確認だけではドメインの知識が十分でなく、引っかかることもあります。
素人判断では不十分なケースもあるので、メールから届いたURLにアクセスして重要な情報を入力することでフィッシング詐欺に繋がる可能性が十分にあります。
ウイルス・アプリでアクセス誘導する詐欺被害
先に挙げたメールのURLによるダミーサイトへの誘導は詐欺の一種です。
ところが、メールなどから開かず、ブックマークやWEBサイト上からアクセスしてもウイルスによる意図的なURLの誘導も存在します。
それは、トロイの木馬などで確認されていて、利用しているコンピューターがウイルスに感染していたり、特定のアプリをスマホでインストールしていた場合に、ウイルスによるアクセスで偽の誘導が起こり、本当はアクセスしたはずのサイトには繋がらず、ダミーサイトにアクセスしてしまうケースがあります。
これにより、知らないうちに番号を盗み取られてしまうといった被害が起きています。
アプリの場合は、証明書のないものをインストールしないように設定しておく、セキュリティソフトを入れて、怪しいアプリや詐欺被害の報告されたアプリは利用しないなどの対策が必要です。
小規模なショッピングサイトセキュリティの不備
近年ではショッピングサイトを利用する際にキャッシュレス決済をすることが珍しくありません。
その代表格として知られるのがクレジットカード決済です。
セキュリティがしっかりしてきたこともあり、多くのショッピングサイトで安全にクレジットカードを利用できます。
具体的には、セキュリティのしっかりしたSSLによるアクセスであればそれほど問題はありません。
SSLとは電子データを暗号化して送信することです。カード番号の場合、そのまま番号を送信するのではなく、一度暗号化して、それを相手に送る方法です。
ショッピングサイトには大小さまざまなお店があります。大手のヤフーやアマゾン、楽天もあれば、個人が運営する通販サイトもあります。
通信が安全な大手がある一方で、SSLのセキュリティに不備のあるショップも珍しくありません。
それはSSLが十分でないケースなどです。
また、ハッキングやウイルスだけに限らず、ハイテクな方法ではない現実の物理的な方法によって被害が生じることもあります。
具体例を挙げると、サポートデスクや運営会社側が、人の出入りがある職場のパソコンにIDやパスワードのメモを記載した紙や付箋を貼っているなどです。
それくらいセキュリティががばがばなところだと、デジタル情報のセキュリティを高いレベルにしていてもリスクは残ったままです。
スキミングで番号だけが盗まれる
犯罪被害としては、フィッシングの方が顕著であるため、スキミングは日本だと一般からあまり警戒されていません。
スキミングとは磁気情報をカードから直接盗む方法です。
特殊なデバイスなどを使って犯罪集団や特殊詐欺などに使われます。
あまり警戒されない理由は、スキミングが技術的な方法で、被害にあったことを金銭が奪われてからしか知ることができないためです。
ネット上でフィッシングにあったのであれば、明確にあのサイトにアクセスしたから、ここで番号を入力したという情報を一致させることができます。
しかし、クレジットカードを物理的にスキミングされてしまうと、一体どこで盗まれたのかが分からなくなってしまいます。
よくあるケースでは、スキミング用のデバイスをATMのカード出入口に設置したり、お店のレジのカードを挿入する場所に設置するなどして番号が盗まれます。
しかし、デバイスが本体に設置される段階で巧妙に偽装されていると、その見分けはまずできません。
最近は、スキミング対策でコンビニのATMなどに不審な物がないかを確認するように促すポスターが貼られたりしますが、実際のスキミングのデバイスについての知識がなく、知らないうちにスキミング装置にクレジットカードを挿入してしまうのです。
このとき、カメラなどが設置されていると、暗証番号も盗まれてしまいます。
恐喝・電話のオレオレ詐欺
次に、恐喝や電話によるオレオレ詐欺などでクレジットカード番号が盗られることがあります。
恐喝のケースでは、実際に第三者や知人から脅迫や恐喝によってクレジットカード番号や暗証番号を知られるなどです。
「渡さないと~する」などと脅してから実際にカードそのものを奪うこともあります。
それからオレオレ詐欺はすでに知らない人がいないほどメディアで取り上げられて周知された詐欺です。
しかし、被害は深刻化していて、単純に現金を振り込ませるのではなく、キャッシュレスの電子マネーを購入させて、それを送付するなどの手口も出てきています。
その中で、クレジットカード番号を伝えるように指示されることもあります。
相手が家族だと思って番号を教えたら、知らない人に使われていたということも起こりえます。
出会い系でクレジットカード決済する
ここまでの詐欺的な手法に対して、グレーから黒の微妙なラインでクレジットカードから現金を奪うのが出会い系です。
その被害は二種類で、
- 出会い系を利用したら、勝手にクレジットカードが利用されたり別のサイトにも登録されていた
- 実際にはクレジットカードの番号は盗まれずに、正常に利用しているように見せかけて、ポイント購入でクレジットカードを使わせて、本人の意思で詐欺集団に金銭を渡すようにサイト内で促される場合
1つ目は明らか詐欺ですが、2つ目はグレーとされています。その理由は、クレジットカードの不正利用と断定できないことです。
クレジットカードの決済自体は何の不正もなく行われているので、詐欺ではあっても不正利用ではないとされてしまうからです。
不正利用に気づいた時の対処方法!
不正利用の原因が判明したら、その上で今度は不正利用に気づいた時の対処法について解説します。
カード会社に連絡して停止に!
- 警察に届け出る
- 補償日数を確認する
- 補償されない条件を知る!
- 明細で決済内容を確認する
カード会社に連絡して停止に!
まず、考えるべきはクレジットカード番号が知られても金銭的な不正利用の問題が生じないようにすることです。
たとえ番号がわかってもカードが利用できなければ、使うことはできません。
盗んだ犯人が使えないように迅速に停止の措置をしてしまうことです。
しかし、不正利用に気づいてからでないと、番号が盗まれたことが分からない事例もたくさんあります。
そのため、補償の規則に従って、カード会社に連絡を取り、どんな行動をとればよいのかを確認することです。
紛失もあるケースでは、必要ならカードを停止して、再発行をするなどの方法もあります。
また、連絡によって利用状況などをデスク側が確認した後に、その請求を取り消すこともカード会社によっては可能です。
もちろん、補償を受けるには警察に届け出ることが前提のケースもあるので、あわせて確認が必要でしょう。
警察に届け出る
警察に届け出る場合、まずはカード会社に連絡して、不正利用された旨を伝えます。それから、警察署に届け出ることになります。
被害届は、不正利用の場合、交番ではなく警察署に行く必要があります。
それは、交番では適切な対処が行えないからです。場合によっては門前払いされたり、被害届が出せないという間違った情報を伝えられるケースもあります。
被害届を出して、それをカード会社の保証の段階で書類提出と一緒に送ります。
そうすることで、被害の補償が初めて行われます。
補償日数を確認する
確認事項として、連絡だけでなく規約や保証のルールなども把握が必要です。
特に補償日数が1~2ヶ月と短いため、連絡した日から2ヶ月前までの分しか適応されません。会社によっては3~6ヶ月前まで適用する場合もあります。
通常は60日が返還義務となる期間としています。
カード会社が決めた日数か、通常の期間以上は対象にならないので注意が必要でしょう。
補償されない条件を知る!
補償されないケースには大きく分けて3つあります。
- 本人に過失がある場合、規定・条項を守っていない利用などが該当します
- 暗証番号の入力によって利用した場合、第三者の不正利用でない限り、補償はされません
- 不正利用が偽りである場合、これらには補償が適用されないので気をつけましょう
明細で決済内容を確認する
クレジットカードの不正利用では、ほとんどのケースで警察に訴え出ても犯人が捕まりません。
補償が適用されなければ泣き寝入りになるケースも多く、被害を最小限に抑えることが求められます。
そこで、必ず毎月の請求明細書を確認することが大切です。
確認を怠って、被害が膨れ上がった場合に、保障期間の対象外とされて補償されないのでは、困ったことになってしまいます。
また、怪しい利用が確認された時は、買い物先や時間帯を調べて、家族などに利用を確認することです。
課金や月額料金による自動の利用料発生なども調査します。
それでも利用しておらず、勝手に高額請求が発生していた場合には、不正利用の被害があったと判断して、すぐにカード会社に連絡します。
連絡日からさかのぼるカード会社が多く、タイミング次第で補償の範囲が変わるので、すぐに連絡することを重視しましょう。
返金補償の内容や注意点を解説!
返金補償でカード会社とトラブルになるケースはある程度決まっています。
ここでは、補償される内容や注意点について説明します。
返金補償は期間内が絶対?トラブルの原因は明細確認の有無!
カード会社とトラブルになる1つとして、すでに説明した返金補償期間から外れるたケースが挙げられます。
補償対象外の分まで補償をできないと説明されてしまうことです。
そのトラブル原因の多くは、利用者(被害者)側にあります。
不正利用が起こったときに、明細を確認しておらず、全体の利用料金しか見ていないなどです。そのせいで、不正利用が起こっても気づかずに放置してしまいます。
後から不正利用に気づいて訴え出たら、補償されないとカード会社に指摘されてしまうのです。
訴えで規則違反の利用がバレるケース!
保証金額は、全額などカード契約時にカード会社が提示する内容で適用されます。全額で100万円の被害があり、上限額も範囲内であれば、全額100万円が返金されます。
しかし、不正利用されるに至った経緯が、正規の利用ではない場合には、返金されないどころか規約違反で解除されることもあるので注意が必要です。
例えば、違法な決済に利用したり、規約で禁止していたクレジットカードの現金化やギフトカードの換金等をしていた場合です。
その被害を自ら訴えでないといけない(訴え出れない)ことにつけ込んで不正利用をする業者もあるので、利用先が信用できる相手かも先に見極めなければなりません。
当然、規約違反で現金化利用分の補償はされません。
ただし、二次的な不正利用分は補償される可能性があるので、警察に届け出た上で補償を請求すると良いでしょう。
クレジットカードの不正利用なら返金情報をチェック!
不正利用を受けて、警察に被害を訴え出る前に返金や補償についてカード会社に確認することです。
そのためには、事前に対処方法を知って、適切な手順とスピーディな対応が必要不可欠です。
被害を最小限にするためにも補償期間内として申請するためにもそれぞれカード会社や警察に訴え出るタイミングをできる限り早くするように努めましょう。
クレジットカードの不正利用に気づいたら?
- すぐにカード会社に連絡して停止に!
- 被害届は、不正利用の場合、交番ではなく警察署に
- 返金や補償についてカード会社に確認する