借金が返せなくなった時はどうするか

もし借金の返済ができなくなったら、どうされますか?
弁護士に依頼して裁判所に自己破産を申し立てて、免責してもらうと借金を帳消しにできるんです!
でもクレジットカードの現金化を行っていると、それができなくなるかもしれません。ご存知でしたか?

困ったよ。借金を返したら生活できない!家賃も払えないよ!何か良い方法はないか?
それは大変だな。最後は自己破産するという方法がある
自己破産すれば何とかなるのか?
弁護士に依頼して裁判所から免責の決定を受けると借金の返済が免除されるんだ
借金が無くなるのは有り難いな。手続きは難しいのか?
弁護士に依頼すれば大丈夫だよ。でも費用は安くないぞ
借金を返す金が無いのに弁護士に金を払わなきゃいけないのか?
弁護士はボランティアじゃないからな。普通は着手金だけで20万は必要だな
20万で借金がチャラになるなら安いもんだ。クレジットカードを現金化すれば用意できるぞ。それで大丈夫だよな?
ちょっと待った!!それをやったらダメだよ

「今月ちょっと厳しいなあ…..」「支払いに間に合わない!」
今すぐ現金が必要なのに、クレジットカードのキャッシング枠は一杯だし、借りれる人もいない「給料日前の金欠」。
よくあることですね。

貯金があったり、ギフト券やブランド品など、すぐに換金できるものがあれば、売却して何とか凌ぐことができるかもしれませんが、誰にでもできる訳ではありません。

「クレジットカードによる現金化」は、そういう時に利用できる方法の一つですが、できればカードローンなどを先に利用することをお薦めします。

「現金化」は高い金利で借金をすることなので、返済できなくなる可能性が高くなります。また、借金で困った時に「自己破産」して債務の免責を認めてもらい、借入金の返済を免除してもらうことが難しくなります。

今回は自己破産制度の内容を説明すると共に、クレジットカードの現金化によるリスクについてお伝えしていきます。

自己破産とは

自己破産とは、裁判所に「もう借金の返済ができない」という破産の申し立てを行って財産を処分し、残りの債務を免除してもらうという制度です。

自己破産の仕組み

自己破産すると、最低限の現預金を除いて、持ち家などの財産が全て処分され、さらに裁判所に納める費用や弁護士報酬を合わせると最低でも50万円以上が必要になるので、簡単には利用できません。

持ち家は処分されるので賃貸住宅を見つけて引っ越す必要がありますが、破産歴は信用情報機関に登録されるので、家賃を保証してくれる会社は簡単には見つからないでしょう。また5年〜10年間は住宅ローンを含めて新たな借入れもできなくなります。

携帯の分割代金や利用料金を滞納している人は、新たに契約し直す必要もあります。また税金や社会保険料などは免責されないので支払い続ける必要があります。

様々な制約を受ける事になりますが、自己破産によって借入金が免責されると返済の必要がなくなるので、生活を立て直すことができます。

自己破産の注意点

自己破産を理由として勤務先を解雇されることはありませんが、金融業・建設業・風俗業など許認可が必要な業種では破産手続が終わるまでの間(約6ヶ月)は、仕事に制約を受ける事があります。親族の保証人になっていたなど、本人の原因によるものでない限り、世間体が良いものではありません。

一般的にクレジットカードによる現金化を利用している人は、現金化が実質的に高金利の借金だという事を理解しておらず、借入金を重ねて自己破産に陥り易いと言われています。またクレジットカードの現金化には詐欺的な業者が紛れ込んで、利用者を食い物にしている事が原因の一つとされています。

自己破産すると住所氏名が官報に掲載されますが、一般人が官報を見て自己破産した人をチェックしている事は考え難いでしょう。

闇金業者が官報で自己破産した人を調べて「お金を貸しますよ」というダイレクトメールを送ってきたりすることがあります。こうした業者は自己破産した人の弱みにつけこんで高い金利で貸付を行うので注意が必要です。

弁護士へ委任するメリット

自己破産の申し立ては弁護士に委任する必要がありますが、委任された弁護士は、貸金業者などの債権者に自己破産の受任通知を送付します。

弁護士から受任通知を受け取った債権者は、債務者に借入金の取立てや請求ができなくなります。これによって債務者は返済に追われなくなるので安心して生活ができ、実質的に返済を停止する事ができるようになります。

借入金の返済ができなくなった時に用いる債務整理には、自己破産以外の方法もあります。制約が多い自己破産を望まない場合は「個人再生」や「任意整理」によって、金利や借入金をカットする事もできます。債務整理を専門に扱う弁護士はネットで検索できるので、先ずはそうした弁護士に相談してみると良いでしょう。

自己破産するためにクレジットカードの現金化をするとダメなのか?
自己破産をしようと考えている時に現金化したらダメだよ
今までちょくちょく現金化を利用していたけれど、それでもダメなのか?
絶対止めた方がよい。借金を免責してもらえなくなる可能性が高くなる
自己破産すれば借金は免責されるんじゃなかったのか?
借金が全て免責の対象になる訳じゃない。ギャンブルやキャバクラ通いで作った借金だと免責してもらえないことがあるぞ
俺がまさにそれだよ!パチンコとキャバクラで作った借金だよ。何とかならないのか?
現金化とパチンコとキャバクラが揃っていると厄介だな。自己破産以外の方法も考えた方が良いな。先ずは弁護士に相談した方が良いな

債務の免責

免責手続の概要

裁判所に自己破産を申し立てる最大の目的は、借入金を免責してもらう事で返済の義務を免れることです。

自己破産の手続だけでは、借入金の返済は免除されません。破産は持ち家などの財産を処分する手続であり、財産を処分して弁済を行った人が、借入金を免除してもらう免責手続に入る事ができるのです。通常は破産手続と免責手続は同時に行われますが、本来は別の手続です。

個人が自己破産する場合は、財産が既に処分されていたり、財産を所有していない場合が大半なので、破産手続は直ちに終了し、債務の免責手続が開始されます。

こうした場合は、破産手続の開始と終了が同時に行われるので同時廃止と呼ばれています。同時廃止では破産管財人を選任する必要が無く、手続も簡易で済むため時間と費用も節約できます。

裁判所が免責を許可する決定を行うと、その後は借入金を返済する必要がなくなります。そのため、裁判所が免責を許可するかどうかが自己破産のポイントであり、許可がおりなければ自己破産を申し立てる意味がなくなってしまいます。そのため、免責の可否を判断する調査と手続は非常に重要なのです。

免責手続で債務者に特に問題がない場合は、裁判所が簡単な調査を行って免責が決定されます。手続が簡単なので裁判所に支払う費用も少なくて済みます。

ところが、債務者が財産を隠していたり、破産で免責されるのを見越して多額の借金していたり、クレジットカードによる現金化を行っている疑いがあると、裁判所が弁護士を破産管財人に選任し、債務者の財産や債務の内容を詳しく調査します。

管財人が選任されると調査に必要な時間がかかるため、免責の決定も遅くなりますし、裁判所に納める費用も高額になります。

免責が許可されない場合

免責制度があっても、全て免責が認められる訳ではありません。管財人が行う調査結果の内容次第では、裁判所から免責許可を得られない可能性もあります。

自己破産は、借金を返済できずに困っている人の生活を立て直し、新たな人生をスタートしてもらうのが本来の目的です。ところが世の中には、予め自己破産して免責されるのを見越して借金をする人がいます。

このように、元から返済する意図が無いのに借金を重ねる行為を防ぐため、借入金の免責を許可しない制度が設けられています。

さらにパチンコ、スロットなどのギャンブルや、キャバクラ通い、ブランド品の買い漁りなどの遊興や浪費、さらにクレジットカードの現金化や株・FX取引などで重ねた借金は、裁判所に免責を許可してもらえないことがあります。

クレジットカードによる現金化を行っている場合

クレジットカードによる現金化を行っている人は、高い金利で借金をしているという認識が乏しく、ギャンブルや浪費で借入金を重ねている人も少なくありません。こういう場合は裁判所から免責の許可を得ることが非常に難しくなります。

また、裁判所が選任した管財人が調べればクレジットカードによる現金化は確実に発覚します。そのため破産手続きの際は、現金化を行っていた事も隠さずに答える必要があります。嘘をついた場合は裁判所の心証が悪くなります。

しかしながら、こうした場合であっても、事情を考慮した上で裁判所が免責を許可してくれる事も少なくありません。本来なら免責はできないが、本人が反省して生活を改めるのであれば、裁判所が特別に免責を認めてやろうという趣旨なので、裁量免責と呼ばれています。 

もちろん裁量免責は無条件で認めてくれる訳ではなく、毎月の生活の収支計画や反省文を裁判所に提出する必要があります。

2014年の弁護士会の調査によれば、自己破産の申し立てで実質的に免責が認められなかったのは全体の3%程度であり、裁判所による裁量免責を含めて大部分は免責を認められています。自己破産の申し立てをすれば、よほど悪質でない限り免責されると言っても良いでしょう。

なんだよ脅かしやがって。結局自己破産を申し立てたら97%は免責してくれるんだろ。俺も大丈夫だよな?
大丈夫とは言えないな。お前のように現金化・ギャンブル・キャバクラが揃っていると裁量免責をしてもらうのも難しいな
でも免責してもらえないのはたった3%じゃないか?
弁護士に相談して、免責が許可される見込みがないと思われたら、最初から自己破産以外の方法を選ぶからね。数字だけでは安心できないよ
脅かすなよ!もし免責が認めてもらえなかったらどうなるんだよ?
免責が認められないと借金を免除してもらうのは無理だな。でも自己破産以外で金利や元本をカットをして、返済額を減らす方法はあるよ

自己破産の手続きを進める中で、裁判所がクレジットカードの現金化を問題視するのは、正規の手続を経た金利規制のあるローンではなく、ショッピング枠を利用した高金利の借入金であり、債務者本人がそれを理解していない事が多いからです。

高額な現金化を常習的に行い、それをギャンブルやキャバクラに注ぎ込んでいると、裁量免責すら認めてもらえない3%の人の中に入ってしまう可能性が大きくなるでしょう。

それでも現金化が必要な場合

どうしてもクレジットカードの現金化が必要であれば、自己破産や借入金の免責の可否なども念頭に置いておく必要があるでしょう。

クレジットカードの現金化は高利の借金である事を踏まえ、破産申し立て直前に現金化を行ったり、ショッピング枠を使い切るような高額な現金化を常習的に行ってはいけません。

現金化が必要な場合は、返済可能な範囲の金額で少しずつ行う事が必要です。現金化は高利の借金であり、いざという時に裁判所から免責を許可してもらえないリスクがあるという事は常に意識しておきましょう。

自己破産に必要なのは弁護士に払う費用だけだよな?
弁護士だけじゃないよ。裁判所に払う費用も必要だよ
何で裁判所に金を払うんだよ!犯罪者が裁判所で判決を受けるのにいちいち金を払ってるのか?
犯罪者が出廷するのは刑事裁判だよ。民間のトラブルを解決する民事事件で裁判所を利用するには相応のお金が必要だよ
何だって!じゃあ裁判所にいくら払えば良いんだ?
特に問題がなければ1万円〜3万円で済む。ただし現金化
をしていると管財人が必要なので、その時は20万円〜50万円必要だな
そんなにかかるのか!弁護士費用は別だよな?
弁護士費用は30万円〜50万円くらいだな。クレジットカードの現金化があれば最低でも50万円以上は必要になるぞ
そんなに掛かったら裁判もできないじゃないか?
まぁ弁護士費用は分割払いができる事が多いからな。それも合わせて弁護士に相談すれば良いさ
金が掛からない刑事事件を起こした方が良くないか?
バカな事を言うんじゃないよ!

裁判所も弁護士もタダでは動かない 

自己破産に必要な費用

お金を貸し付けるクレジット会社や消費者金融会社、クレジットカードの現金化を行う業者、自己破産など債務整理を行う弁護士や司法書士、さらに破産や免責の決定を行う裁判所に至るまで、人を動かしてサービスを受けるには利息や手数料が必要です。

自己破産に必要な弁護士費用は約20万円~50万円で、裁判費用と合わせると50万円〜80万円程度が必要になります。自己破産制度は借金の返済が難しい人を対象にしているので、返済の最中にこれだけのお金を用意できる人は多くないでしょう。

債務者の生活を立て直すのが目的なのに、費用が高くて利用できなければ制度の意味がありません。

自己破産に必要な費用の捻出

多くの弁護士事務所では債務整理の相談料を無料にしたり、弁護士費用を分割で支払う事を認めています。さらに、自己破産を委任して弁護士が債権者に受任通知を送付すると、借金の返済を停止する事ができるので、裁判所が免責を決定するまでの間に弁護士費用を用意することもできます。

また、クレジットカードの現金化を行っている場合は裁判所が選任した管財人が調査を行いますが、個人が自己破産する場合は、手続が簡単で20万円程度の費用で済む少額管財事件として扱われるようにしています。(通常の管財事件では最低でも50万円程度の費用が必要です)こうする事によって債務者が自己破産制度を利用しやすくなるようにしています。

自己破産以外の方法

裁判所で借入金の免責が認められなかった場合や、保証人に迷惑を掛けたくなかったり、仕事に支障が出たり(生命保険募集人や警備員などは免責が決定されるまで資格が停止されます)持ち家を失いたくない場合は次の方法で債務整理を行う事ができます。

個人民事再生

裁判所を介して借入金を減額(80%〜90%)してもらい、残りは返済計画を立てて、3年〜5年で分割返済する方法です。クレジットカードによる現金化を行っていても問題になる事はありません。

借入金は免除されませんが、住宅などは処分されずに保持し続ける事ができます。弁護士報酬を含めた費用の総額は70万円〜80万円程度です。

任意整理

任意整理は弁護士に依頼して貸金業者と和解交渉をしてもらい、借入金の利息を軽減したり分割返済の回数を増やして毎月の返済額を少なくする方法です。

裁判所を利用せず、保証人にも迷惑が掛からず、自宅などを処分する必要が無いという特徴があります。

自己破産や民事再生などに比べると借入金の減額幅は小さくなりますが、裁判所に納める費用が発生しません。ただし弁護士費用は必要です。(金額は交渉する業者の数や返済金の減額幅などによって変動します)

弁護士に相談して自分に適した債務整理を行う

ここまで、自己破産と免責の仕組みを説明しながら、クレジットカードを利用した現金化がもたらすリスクや、その対処方法についてお伝えしてきました。簡単にまとめると次のようになります。

①自己破産を申し立てる目的は裁判所に借入金を免責してもらって、返済を免れる事である

②ギャンブルやキャバクラなどの遊興、クレジットカードの現金化による債務は、免責を受けるのが難しい場合がある

③自己破産と免責決定を受けるには、裁判所と弁護士に相応の費用を支払う必要がある

債務整理には自己破産によって免責決定を受ける以外にも個人再生と任意整理という方法があります。個人の事情や借入金の額などの状況によって、適した方法は異なるため、具体策な解決策は弁護士と相談して決める事をお奨めします。